2025.5.23
イタリアの高級家具ブランドMinottiのシンガポールショールームに、モダンな日本庭園を制作しました。
EN LANDSCAPE DESIGN代表の中山がディレクターを務める海外向けアート&ランドスケープブランド「BON・DO」によるこのプロジェクトは、現代建築やインテリアに調和するミニマルな和の空間として注目を集めています。
近年、世界中で「和」の精神性や美意識への関心が高まっています。
特に富裕層の間では、メディテーションの流行とともに、禅の庭園、盆栽、書といった日本文化への興味が深まっています。
Minotti Singaporeがお客様に提供したいのは、単なる家具だけでなく、ランドスケープまで含めたトータルなライフスタイル提案でした。
その中で、BON・DOの日本庭園デザインが選ばれた理由と、そのデザインポイントについて解説します。
Minottiのようなハイエンドな空間にふさわしい、洗練されたモダンな日本庭園を創り上げるために、BON・DOがこだわった3つのポイントをご紹介していきます。
現代の建築やインテリアに調和するモダンなJapanese Gardenを目指し、私たちは「要素を削ぎ落とす」ことに注力しました。
厳選された本物の素材のみを使用し、究極のミニマリズムを追求しています。
使用した素材は、植物、石、苔、砂利、そしてオリジナルで製作した薄いスチールのプランター(鉄)に絞り込みました。
これにより、洗練された高級感と同時に、静寂と落ち着きをもたらす空間を創造しています。
シンガポールは「GARDEN CITY」をコンセプトに掲げ、街中に緑が溢れています。
しかし、日本の美意識である「間」や「余白」を感じさせる空間は、これまであまりありませんでした。
私たちは、シンガポールにはない新たな価値を提供するため、この「間」と「余白」を意識した植栽レイアウトを徹底しました。
これにより、ただ植物があるだけでなく、静けさや落ち着きを深く感じられるランドスケープを実現。
特に、プランターの植栽には、存在感を抑えた薄いスチールのオリジナルプランターを採用。
直径を大きくすることで、樹木の足元に石、砂利、苔をゆったりと配置し、ミニマルながらも奥深い日本庭園の世界観を表現しています。
今回のプロジェクトは、シンガポールの「室内」という特殊な環境下でした。
そのため、通常の日本庭園で使用される樹種をそのまま使うことはできません。
私たちは以下のポイントを考慮し、最適な植栽を厳選しました。
・ シンガポールで育てやすい植栽
・ シンガポールで調達可能な植栽
・ 室内環境に適応できる植栽
「和」の雰囲気と余白のある枝ぶりの植栽
これらのテーマに基づき、現地で調達可能な植物の中から、和の表現が可能な樹種を慎重に選びました。
近年、日本の観葉植物は海外でも非常に人気が高く、現地で日本の植物を輸入・養生している卸業者も増えています。
日本原産の樹種に限定せずとも、枝ぶりや全体の雰囲気を見極めることで、十分に日本を感じさせる植栽デザインが可能となりました。
EN LANDSCAPE DESIGNは、国内のインバウンド需要に対応する日本庭園デザイン・施工に加え、海外向けにはアート&ランドスケープブランド「BON・DO」として、モダンな和の庭園デザインをご提供しています。
今回のMinotti Singaporeのような屋内空間での制作事例はもちろん、屋外庭園のデザイン・施工も幅広く承っております。
和の空間を創造したいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お客様の理想を形にする、空間デザインをご提案いたします。